設問要求と抽象化(その2)

前回に引き続き、平成30年度の2次試験事例1について抽象化をしてみる。

 

第2問は次のとおりである。

 

第2問

A社の事業展開について、以下の設問に答えよ。

(設問1)

A社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。A社の人員構成から考えて、その理由を100字以内で答えよ。

(設問2)

A社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特性には、どのような違いがあるか。100字以内で答えよ。

 

 

「A社の事業展開について、~」という部分はのちの設問1と設問2両方に関わってくる。

 

抽象化を行ってみる。

 

A社の事業展開~ → ドメイン 制約条件

(設問1)

A社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった → 与件文で該当箇所をみる。 A社の取引はBtoBの割合が高いという意味だろう。

A社の人員構成 → 与件文でA社の人員構成をみる。

その理由 → 理由を回答する

(設問2)

A社長は経営危機に直面した時 → 与件文

それまでとは異なる考え方  → どのような考え方を指しているか与件文を探す

複写機関連製品事業に着手 → 新しいドメイン おそらく標的顧客も従来とは違うだろう

それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性 → 与件文から該当箇所を探す

複写機関連製品の事業特性 → 与件文から該当箇所を探す

どのような違い → 制約条件。違いを答える。

 

抽象化は以上の通りとなる。設問要求に加えて与件文も読まないと具体的な方向性が見えないことがわかるだろう。

 

次回は事例1の第3問と第4問の抽象化を行う。