設問要求と抽象化

中小企業診断士2次試験のうち、事例1から事例3までは同じ手順で回答を進める。

 

試験開始の合図がでたら、問題用紙の最後の2枚が白紙になっているので、これを丁寧に切り取ってメモ用紙として使う。

 

次に与件文を読まず、設問から見ていく。

 

与件文から読んで設問を読むと、設問要求に該当する与件文を読み返すことになり時間をロスしてしまうからである。

 

最初に設問を読むことで、与件文のどこを注意してみるべきかのあたりをつける。

 

平成30年度の2次試験事例1を見てみよう。

 

第1問は次の通りである。

 

第1問(配点20点)

研究開発型企業であるA社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100字以内で答えよ。

 

これを抽象化していく。

抽象化するとは、設問要求に書いてある具体的な内容を抽象的な内容に置き換えて、自分が知っている知識と結びつけることである。

 

具体的には次のようになる。

 

  • 研究開発型企業であるA社 → 研究開発型企業とはどのようなものか与件文から探す
  • 相対的に規模の小さな市場をターゲット → 集中戦略の説明「業界の特定セグメントに焦点を絞り、効率よくそのセグメントに奉仕をして優位性をつかむ戦略」に近い内容だ。競争戦略のなかの集中戦略のことではないか?A社は中小企業であるはずだから経営資源が少ないから、コスト集中ではなく差別化集中だろう。「相対的に規模の小さな市場」は具体的には何を指しているか与件文を読む必要がある。
  • 理由 → 理由を答えなければならないという制約条件
  • 競争戦略の視点 → 競争戦略の視点で答えなければならないという制約条件

 

このように抽象化することで、与件文を読む前に

 

 

のように読むべきポイントにあたりをつけることができる。